・前書き…さばの味噌煮とは
さばの味噌煮は、お味噌汁と並ぶ家庭調理の定番。濃厚な味噌のコクと鯖のうまみが絡み合い、おかずにもつまみにもなる主婦の強い味方です。
浅野味噌でも冷凍で販売していますが、最近はすでに調理されたものが多くあります。忙しい生活の中で手早く食べられるのは良いけれど、お惣菜と比べるとやはり手作りした方が、美味しさを感じられることに間違いはありません。
おうちで作ってみようと思ったとき、失敗しないで美味しいさばの味噌煮を作るために大事なポイントをこれからご紹介いたします。
・さばを選ぶ時のポイント
まず、さばの味噌煮には、ゴマさばよりも脂ののった真さばがおすすめです。10月~2月が真さばの旬になるので、鮮度が良く脂ののった生のさばを選びましょう。血合いがくすんでいなくて、きれいな赤・ピンク色をしているのが新鮮な証拠です。
切り身は中骨がついたものの方が、骨からもだしが出て、仕上がりに深みが出ます。食べやすさによる好みもありますので、骨なしの切り身で煮つけるときは、3枚おろしの中骨も一緒に入れると良いでしょう。
・味噌を選ぶ時のポイント
和食には欠かせない「味噌」ですが、レシピに「味噌」と書いてあっても、どの種類の味噌を使えばいいのか悩みますよね。味噌の味も色も全国各地で違いますし、レシピの写真を見るだけでは判別が付きません。なので今回は、お好みに合わせた味噌の選び方をご紹介します。
魚独特の臭みが気になる方は、熟成期間の長い「赤味噌」がおすすめです。長期熟成されたコク深い味噌は魚の生臭さを消す「マスキング効果」に優れているので、さばの味噌煮のような煮込む料理にはぴったりなのです。さらにこの「マスキング効果」には材料の脂肪・調理等の油っぽさを抑制する働きもありますから、さば味噌の旨味とコクはそのままであとくちさっぱりに仕上がります。
甘口で柔らかくふわふわの身を楽しみたい方は、塩分の低い白味噌がおすすめです。塩分が低めなのでさばの身がしまりにくく、さばの身の柔らかさを保ちます。料亭にでてくるような、上品で旨味のある味付けです。
浅野味噌のおすすめは、赤味噌と白味噌を合わせて使うこと。府中市独特の麦味噌を長期熟成した赤味噌は旨味とコクが強く、そこに甘口で米糀の風味良い白味噌を合わせることで味に奥行きができて、さば本来の味が生きてくるのです。この後紹介するレシピはこの赤味噌と白味噌の合わせ味噌でつくっているので、ぜひ試してみてくださいね!
・さばの味噌煮を美味しく作るコツ
さばの味噌煮を作るときに一番大事なのが、「さばの霜降り」と「2回に分けて味噌を入れる」のふたつ。
ひとつめの「霜降り」とは、生魚を調理する前に熱湯をかけ、臭みを取ることをいいます。さばの味噌煮はさばそのもののうまみが重要なので、鯖に臭みがあると、それがそのまま煮汁に移ってしまいます。これを防ぐために、熱湯を回しかけて必ず臭み抜きをしましょう。その後冷水で、血合いやうろこ、小さなごみなどを洗い落とすのも重要なポイント。冷水につけることで、鯖の身を締めて味が逃げてしまうのを防ぐ効果もあります。
さばの味噌煮に絶対必要なお味噌ですが、どうしても加熱するとせっかくの味噌の風味がとんでしまいます。そこで大事なのがポイント二つ目の「2回に分けて味噌を入れる」こと。初めに味付け用の味噌でさばを煮込み、十分火が通ったら仕上げ用の味噌を加えましょう。そうすることで、味噌の風味を残しながらしっかりと味を染み込ませることができます。
この2つのポイントをきっちり守れば、失敗しないだけでなく、家庭料理のさばの味噌煮をワンランク上の料亭の味まで引き上げることができます。
・材料と作り方
【材料(2人分)】
鯖 2切れ
しょうが 一かけ
長ネギ 18cm程度
●水 200cc
●赤味噌(味付用) 大さじ1
●白味噌(味付用) 大さじ1
●酒 大さじ3
●みりん 大さじ2
●砂糖 大さじ1
●醤油 小さじ1
赤味噌(仕上げ用) 小さじ1/2
【作り方】
1、 さばは皮に切り込みを入れ、表、裏ともしっかり熱湯をかけ霜降りする。
その後冷水にひたし、身を引き締めるとともに血合いや細かな汚れを取り除いておく。
生姜は薄切り、長ネギは2~3センチに切っておく。
2、 ●の調味料をすべて鍋に入れ、中火で加熱する。ぐつぐつしてきたら皮を上にしてさばを入れ、生姜とネギを入れてアルミホイルで落し蓋をし、5分ほど中火で煮込む。
3、 鍋の煮汁を少しとり、そこに仕上げ用の味噌を溶かして鍋へ戻す。
4、 煮汁をさばにかけながら、弱火でとろみがつくまで煮る。
※煮詰まると味が濃くなるので、味をみながら整えてください。
5、皿に盛り付けて完成。